無添加住宅
コラム

炭化コルクのメリットとデメリット

皆さんは「炭化コルク」というものを聞いたことがあるでしょうか。
炭化コルクは色んな性能を持ち合わせた魅力的な断熱材の一種です。断熱材にこだわることで、1年を通して住み心地の良い家を実現することが出来ます。

断熱材の役割とは?

住宅の建築に使用される断熱材は、家の中の快適さを高めるために用いられます。
外の暑さや寒さを家の中に入れないようにするための住宅建材となるものです。また、建物内の冷房や暖房を効かせた熱を外に逃がしにくくする効果もあり、冷暖房の効率を上げることで省エネには欠かせない建材です。
少ないエネルギーで部屋を涼しく(または暖かく)することが出来るので、電気代の削減につながるほか、環境への負担軽減にもなります。

断熱材の種類

そんな断熱材には、主に「繊維系断熱材」「天然素材系断熱材」「発砲プラスチック系断熱材」の3種類があります。

繊維系断熱材

細い繊維が絡まりあった断熱材。細かい繊維が複雑に絡み合っているのが繊維系断熱材の特徴です。グラスウールやロックウールなどの無機質系と林地残材や間伐材の木を利用した木質繊維系があります。

天然素材系断熱材

羊毛やコルク樫を利用したもので環境や人への影響が少ない断熱材です。

発砲プラスチック系断熱材

その名の通り、発泡プラスチック系断熱材はプラスチックを発泡させて製造してます。

天然素材系の炭化コルクは優秀

無添加住宅の炭化コルクは、ポルトガルやスペインなど北アフリカの地中海沿岸に群生するコルク樫の表皮からできています。
バージンコルクやワインコルクを製造する過程で余った端材を加工して作られているので、非常にエコな断熱材です。天然素材でエコな炭化コルクはその性能も優秀です。

炭化コルクのメリット

断熱性能に優れている

断熱材の役割のところでも少し紹介しましたが、断熱材は外気温を室内に伝わりにくくする必要があるので、熱伝導率が小さい気体の断熱性能を利用すべく、空気がたくさん含まれていることが望ましいです。
炭化コルクの場合、1立方センチメートルあたり4000万個の空気を内包した微細な細胞から構成されているので、断熱性能に優れているのです。ちなみに、炭化させる前のコルクは、スペースシャトルのエンジンノズルの断熱材としても使用されていました。

調湿性能が高い

自然素材の炭化コルクは優れた吸湿性があります。
炭化することでコルクの気泡部分が開き、空気中の水分を吸収したり、吐き出したりする性質を持つようになります。
また昨今、住宅の「壁体内結露」が問題視されていますが、炭化コルクは内部結露の発生を抑えるための一翼を担う建材なのです。

防虫効果がある

コルク樫の木には、天然の防虫成分であるスベリンが含まれています。そのため、喘息やアトピーなどの原因になるダニを寄せ付けない効果があります。

人間にも環境にも優しい

コルクは自分で出す樹脂成分によって自然に固まります。化学糊を使う必要がないので、人間に優しく、さらに役目を終えた炭化コルクは自然に返すことができるので、環境にも優しい断熱材になります。

吸音性がある

防音材としても使用されることがある炭化コルクは音を吸収する性質を持っています。

炭化コルクのデメリット

数多くのメリットがある炭化コルクですが、他の断熱材に比べると価格が高くなってしまうのが、デメリットと言えます。

無添加住宅が炭化コルクを取り入れる理由

性能面はもちろんですが、炭化コルクの魅力は何といっても天然コルク100%でできていること。さらに非常にエコロジーな素材であることです。
無添加住宅では「身体に良くないものを使わない」ということは大前提ですが、商品にならないバージンコルクや、ワイン栓に使うコルクの残りを廃棄利用するなど地球にも優しいという点にもこだわって建材を選んでいます。
現在の日本の住宅に多く使用されているグラスウールやウレタンフォームなどと比べると価格が高い傾向にありますが、それ以上に炭化コルクは住む人へのメリットが多い断熱材なのです。

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