無添加住宅
コラム

鋳物ホーローってどんな素材?

メリットとデメリットを合わせて紹介します

キッチン、洗面所、浴室などの水回りがオシャレかつ機能的だと、掃除も苦になりませんよね。そんな水回りを実現するには、鋳物ホーローがぴったりです。鋳物ホーローはビジュアルの美しさだけでなく、耐久性の強さも魅力です。ここでは、鋳物ホーローとは何か、鋳物ホーローを使用するメリットとデメリットについてご紹介します。

鋳物ホーローとは?

鋳物ホーローとは、溶かした鉄を鋳型の空間に流し込んでつくったものの表面に、ホーロー加工を施した素材です。ホーロー加工とは、金属の表面にガラス質の釉薬(うわぐすり)を塗り高温で焼き付ける加工方法のことです。
鋳物ホーローは、鉄とガラスが合わさったものでそれぞれの長所が活かされています。鉄の錆びやすさ、ガラスのもろさ、それぞれの欠点を補っているのです。
ホーローの技術の始まりは紀元前にまでさかのぼります。エジプトのツタンカーメン王の黄金マスクはホーロー技術最初期のものです。
ホーロー技術が日本に伝わったのは飛鳥時代で、当初は装飾品を生み出すための技術でした。当時のホーローは金・銀の金属質にエナメル質ガラスを加工したもので、今のような鉄のホーローではありませんでした。
今のような鉄ホーローの技術が根付いたのは明治時代以降で、この頃から実用品が生み出されるようになりました。その走りとなったのが、1885年に開発された鉄板ほうろう鍋です。「ホーロー(琺瑯)といえば鍋」というイメージがあるかもしれませんが、浴槽、キッチンシンク、洗面ボールなどの住宅設備、医療機器などにも使われています。ホーローは無機質なので、人の体に優しく、日頃私たちが口にするもの、触れるものを形作るのに最適な素材です。

鋳物ホーローを使うメリット、デメリット

鋳物ホーローを使用するメリット、デメリットについてご紹介します。

鋳物ホーローを使うメリット

・耐久性が高い

鋳物ホーローは、基礎となる素材が金属なので耐久性に優れています。また表面を覆うガラスも、プラスチックなどの素材と比較すると耐久性が高いのが特徴です。
ガラス質のコーティングがあるのでこすっても傷つきにくく、カビや湿気にも強いことから日頃のお手入れも簡単なのが魅力です。高温でも変色、変質することがないので、熱湯を沸かす機会の多いキッチンにも最適な素材と言えます。

・保温性に優れている

鋳物ホーローは、分厚い素地かつ、熱伝導性が低い性質を持つため、保温性に優れています。そのためお風呂にためたお湯が冷めにくく、追い炊き機能を使う機会を減らせることからガス代節約にも効果的です。

鋳物ホーローを使うデメリット

・ガラス質が剥がれると再塗装の必要がある

比較的丈夫な素材である鋳物ホーローですが、傷などの経年劣化が発生することがあります。また表面にコーティングされたガラス質がはがれ、中の金属がむき出しになりサビが発生することもあります。この状態になると研磨剤を使っても修復が難しいので、ガラス質を再塗装することが必要です。ただし、一般的に使われる材質FRP(強化プラスチック)も利用していく中で劣化はしていきますので、正しくは「劣化の仕方が違う」ということになります。

・重量があるため、2階に設置する場合は対策が必要

重量が増える分、設置の際は追加で柱を入れたりなど補強が必要になります。合わせて、補強分のコストもかかりますの、十分な検討が必要です。

まとめ

鋳物ホーローは、傷がつきにくくカビや湿気にも強いので、日頃のお手入れも楽なのが魅力です。重量があるので、階数が上の場所に鋳物ホーローの住宅設備を作る際は注意が必要になります。綺麗な水回りを長くキープしたい人は、ぜひ鋳物ホーローを取り入れた住宅設備を検討してみてください。